「今夜こそ眠れますように」と願いながら朝を過ごす。
布団に入るのが、少し憂うつ。
眠れないまま、1時間ごとに時刻を確かめてしまう。
そんな夜を、過ごしていませんか?
私にもそんな時期がありました。眠れないこと自体つらいのに、「今夜も眠れなかったらどうしよう」という不安が、朝から一日ついてまわる。なんで眠るだけなのに、こんなに悩まなきゃいけないんだろう。 そう思っていました。
今はあの頃ほど眠りに悩まなくなりました。特別なことをしたわけではありません。きっかけは、SNSで見かけた、たった一行でした。
ここでは、私が眠れなかった頃のことと、そこから少しずつ抜け出せた話をさせてください。同じ夜を過ごしている方に、何か届くものがあればうれしいです。
何度も時刻を確かめていた

以前の私は、朝から憂うつでした。朝から夜のことを考えていました。「今日こそは眠りたい」まだ一日が始まったばかりなのに、夜の心配をしている。
いつからこうなってしまったんだろう…。眠るなんて、以前は当たり前にできていたことだったのに。いつの間にか夜が来ることまで心配するようになっていました。
夜が来て布団に入る。目を閉じても頭は冴えたまま。寝返りを打つたびに、時間が過ぎていくのがわかります。そして、ついつい枕元の携帯に手が伸びるんです。
午前1時。しばらくして、また確かめる。2時。 そして、3時。1時間ごとに時刻を見ては、そのたびに残りの時間を数えていました。あと何時間眠れるのか。もう何時間眠れていないのか。
そうなると、頭に浮かぶのは仕事のこと。この調子で朝を迎えて、ちゃんと働けるんだろうか。ぼんやりして、ミスをしたら嫌だな。そんなことを考えるほど、目はますます冴えていきました。
眠れないのは、それだけでつらいことです。そのうえ、眠れないことを心配して、時間を数えて、明日を思って焦る。つらさの上に、さらにつらさが積み重なっていくような夜でした。
「眠らなきゃ」が、眠りを遠ざける

あの夜、私の中で何が起きていたのか。あとになって知ったことがあります。
眠りに入るには、心と体の緊張が少しずつゆるんでいくことが大切です。ところが、「眠らなきゃ」と焦るほど、かえって頭が冴えてしまうことがあります。眠れない不安や翌日の心配が重なることで、なかなか力を抜けなくなるんですね。
眠ろうとがんばるほど、かえって眠りを遠ざけてしまう。あの夜の私には、そんなことが起きていたのだと思います。
本来なら、布団は安心して力を抜ける場所です。けれど、そこで何度も焦りや不安を味わっているうちに、布団に入っただけで身構えるようになってしまう。私が「朝から憂うつだった」のも、夜が来ることを体が先に警戒していたからかもしれません。
もちろん、更年期そのものの影響もあります。女性ホルモンのゆらぎが自律神経のバランスに関わることは知られていて、この時期は眠りが浅くなりやすいと言われています。
(このあたりは、中途覚醒の記事でくわしくお話ししています)
ただ、眠れない夜を長引かせていたのは、ホルモンだけではなかった。眠れないことを恐れる気持ちが、眠りをさらに遠ざけていた。
私の場合は、そこが大きかったように思います
抜け出せたきっかけ


偶然見かけたSNS
そんな夜を過ごしていた私も、少しずつ眠れない夜とのつき合い方が変わっていきました。きっかけは、意外なところにありました。SNSで見かけた、たった一行です。
寝不足だけど、その分熟睡できる夜が楽しみ!
そんな趣旨の言葉でした。
書いていたのは、たぶん更年期でもない、私よりずっと若い方だったと思います。眠れない悩みを語っていたわけでもない、なにげない一言。でも、その一行に私は立ち止まりました。
眠れないことを、こんなふうに受け止める人がいるんだ。私にとって、眠れなかった夜は「失敗した夜」でした。今日も眠れなかった、明日も眠れないかもしれない、どうしよう。ずっとそうやって、減点していくように数えていました。
でもその人にとっては、眠れない夜は次にぐっすり眠れる夜への前ぶりで、楽しみですらあるようでした。同じ「眠れない夜」なのにこんなに違うんだ、と驚きました。
そこから、すぐに眠れるようになったわけではありません。それでも、少しずつ「眠れない夜があっても、明日は過ごせる」と思える日が増えていきました。眠れなかった翌日も、意外と何とかなる。そう気づくと、布団に入るときに構えてしまうのが、ゆるんでいったように思います。
思い返せば、眠るためにいろいろなことを試していました。今となっては、何を試したのかも覚えていないくらいに。それでも、いちばん変わったきっかけは、眠れないことを怖がらなくなったことだったように思います。
朝の光を浴びることも、始めました
同じころに、もうひとつ始めたことがあります。朝、起きたら日の光を浴びること。
きっかけは、こんな話を目にしたからでした。朝に日の光を浴びると体内時計がリセットされて、その14〜16時間後に、眠りを促すホルモン(メラトニン)が出はじめる。つまり、夜の眠気はその日の朝から準備が始まっているということです。
なるほど、と思いました。夜のことばかり考えていたけれど眠りは朝からつながっているのか、と。そこから、朝はカーテンを開けて光を浴びるようにしています。
正直なところ、それが効いたのかどうかはわかりません。気持ちの変化のほうが大きかった気もします。でも、続けていて損はなさそうだし、朝の光を浴びるのは単純に気持ちがいい。だから今も、なんとなく続けています。
無理なく続けられるのがいいよね
眠りの土台は、1日の過ごし方でつくられる


ここまで「眠れない夜の心の話」をしてきましたが、そもそも眠りやすい状態をつくっておくことも、もちろん助けになります。
夕方以降の光の使い方、お風呂に入るタイミング、カフェインとのつき合い方。その日の夜の眠りは、布団に入るずっと前から準備が始まっています。
このあたりは別の記事にまとめているので、よければのぞいてみてください。


つらいときは、我慢しないで


眠れない夜が続くと、体だけでなく、気持ちもすり減っていきます。
でも、こう思う方は多いのではないでしょうか。「眠れないくらいで、病院に行っていいのかな」。私もそうでした。眠れないのは自分の心が弱いからだ、みんな多少は眠れないものだ…。そうやって、ずいぶん長いあいだ、ひとりで抱えていました。
私の場合、結局そのまま時間が過ぎて少しずつ眠れるようになりました。でも今思えば、あんなに悩んでいたのだから、誰かに相談してもよかったよね…と思うんです。眠れないつらさは、立派な相談の理由なんですから。
・眠れない夜が続いていて、つらい
・日中の眠気やだるさで、生活に支障が出ている
・眠れないことを考えると、不安になる
・夜が来るのが怖い、と感じるようになった
更年期の不調も気になる場合は婦人科や女性外来、眠りの悩みが中心なら、かかりつけ医や睡眠を専門とする医療機関など、相談しやすいところからで構いません。
「いつから」「どんなふうに眠れないのか」を具体的に伝えると、相談がスムーズです。
まとめ


眠れない夜は、長くて、心細いものです。
私も、朝から夜のことを心配して、1時間ごとに時刻を確かめて、減っていく数字に焦っていました。眠れないこと自体つらいのに、その上に「眠らなきゃ」という焦りが積み重なっていく。あの頃は、それが当たり前になっていました。
- 「眠らなきゃ」と強く意識するほど、かえって頭が冴え、寝つきにくくなることがあります
- 布団の中で長い時間、眠れない不安を抱えることが続くと、布団に入ること自体が緊張につながる場合もあります
- 眠りの準備は、朝の光から始まっています
- 眠れない夜が続いてつらいときは、我慢せずに相談していい
もし、あの頃の自分に声をかけられるなら、こう言うと思います。
そんなに、眠ることを怖がらなくて大丈夫。
眠れなかった翌日も、意外と何とかなる。今日眠れなくても、いつか眠れる夜が来る。あなたは何も失敗していないし、心が弱いわけでもない。
今夜も眠れずにこれを読んでいる方がいるかもしれません。今すぐ眠ろうと、がんばらなくていい。「眠らなければ」と自分を追い詰めず、まずは静かに過ごしてみてください。
その時間が少しでも穏やかなものでありますように。
・厚生労働省 e-ヘルスネット「メラトニン」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-062.html
・睡眠健康大学(日本睡眠教育機構)「朝日の光をたっぷり浴びる」









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