夜中に目が覚めて、パジャマが湿っている。
着替えて布団に戻るけれど、また同じことを繰り返す。朝には洗濯物が二組。そんな夜を過ごしていませんか。
私も、寝具を変えたりパジャマを買い替えたりしながら、なかなか答えが見つからない時期がありました。パジャマに「綿100%」のタグがついていればOKで、どれも大差ないと思っていました。でも調べてみると、同じ綿でも重ね方や編み方でまったく別物だと分かりました。
この記事では、綿パジャマの素材の違いと、ネットで買うときに確認したいポイントをまとめます。
すぐに商品を見たい方は、こちら、または目次の「条件に合う4つのパジャマ」からご覧ください。
私は無印良品のパジャマを着ています
先に書いておきます。私が今使っているのは、無印良品のパジャマです。特別なものではありません。近くの店舗で触って選べて、サイズ感が分かっていて、値段が手頃。それが続いている理由です。
でも、近くに店がない人や、ネットで探したい人には、この理由は当てはまりません。そこで、どういう基準で選べばいいのかを調べてみました。
なぜ綿なのか

パジャマ売り場に行くと、ポリエステルや混紡のものがたくさんあります。軽くて、シワにならなくて、値段も手ごろ。決して悪い素材ではありません。
ポリエステルのものって、可愛いのが多い印象だけど
そうだね。でも、寝るときには少し事情が変わるんだ
ポリエステルは繊維そのものの吸湿性は低めです。だから、汗をかいたとき、繊維が水分を抱えてくれず肌の表面に残ります。それが冷えると、「汗をかいたのに寒い」という状態になります。
反対に、綿は水分を吸いやすい性質があります。肌の表面から汗が離れるので、あのじっとりした不快感が出にくい。ただし乾くのは遅いので、大量に汗をかいた日は湿ったままの時間が続きます。
どちらにも向き不向きがあります。運動着として優秀な性質が、寝るときには裏目に出る。それだけのことです。
| 綿 | ポリエステル | |
|---|---|---|
| 吸湿性 | 高い | ほとんど吸わない |
| 乾き | 遅い | 早い |
| 汗をかいたあと | じっとり感が出にくい | 肌の表面に残って冷える |
| 肌当たり | 柔らかく、洗うほどなじむ | つるっとした質感 |
| 静電気 | 起きにくい | 冬に起きやすい |
| 手入れ | シワになりやすい | シワになりにくい |
| 向いている場面 | 寝るとき | 運動、部屋着 |
ゆらぎ世代は、短い時間に汗が出てそのあと体温が下がる、という波が起きやすい時期です。私は、汗をかいたときに肌表面のベタつきが残りにくい綿のほうが使いやすいと感じています。
調べたら、ほとんどガーゼだった


綿がよさそうだと分かったので、パジャマを探してみました。
条件は「綿100%」「肌当たりがやさしい」「締めつけない」。そうやって絞っていくと、出てくるのはほとんどがガーゼのパジャマでした。最初は、たまたま偏ったのかと思いました。でも調べていくうちに、そうではないことが分かりました。
綿をやわらかく、通気よく、蒸れにくく作ろうとしたとき、いちばん理にかなっているのがガーゼだからです。
一般的にガーゼは糸を甘めに撚って、目を詰めずに織る。すると布に空気が入り、軽くて、風が通って、汗も抜けやすくなります。ただ、薄くなるぶん一枚では心もとない。だから重ねます。二重、三重と重ねることで、厚みと保温性が出てくる。
つまり「綿でやさしいパジャマ」を探すと、必然的にガーゼに行き着くようになっている。
…ここで新しい疑問が出てきました。
同じガーゼでも、値段がぜんぜん違うのはなぜなんだろう?
同じ綿100%でも別物


調べていくうちに分かったのは、ガーゼと一口に言っても中身がかなり違うということでした。見るべきところは、大きく三つあります。
重ね方で変わる
ガーゼは薄い布なので、重ねて使います。二重、三重、五重と、商品によって違います。重ねるほど厚みが出て、空気の層ができるので暖かくなります。そのぶん、乾くのには時間がかかります。
夏に三重は暑いかというと、そうでもありません。層のあいだに空気が通るので、意外と蒸れにくい。逆に一重は涼しいけれど、汗をかいたときに肌に張りつきやすくなります。
そんな目安で考えると選びやすくなります。
織りと編みの違い
ガーゼは「織った」布です。糸を縦横に組んでいるので、形が安定していて、伸びにくい。
一方で、Tシャツのような「編んだ」生地もあります。天竺ニットと呼ばれるものです。糸をループ状に絡めているので、伸びます。
どちらがいいという話ではなく、寝るときの感じ方が変わります。
織りのガーゼは、体との間にゆとりができます。ふわっと空気をまとう感じ。寝返りのとき、布が体についてこないので、まとわりつきにくい。
編みのニットは、体に沿います。伸びるので動きを妨げず、寝返りが打ちやすい。ただし体に近いぶん、汗をかいたときは張りつく感覚が出やすい。
そんな風に考えていいかもしれません。
仕上げの加工があるかどうか
ここは、あまり語られないところです。
布は織ったあと、多くの場合いろいろな加工をされます。糊をつけて形を整えたり、柔軟剤で手触りをよくしたり、縮まないように処理したり。おかげで、買ったときの状態がきれいに保たれます。
ただ、加工によって出された風合いは、洗濯を重ねるうちに変化していくことがあります。「最初がいちばん気持ちよかった」と感じるのは、これが理由のことがあります。
反対に、加工をほとんどしない作り方もあります。無加工に近いガーゼは、使い始めはやや硬さを感じても、洗濯を重ねるうちになじんでいくものがあります。
どちらが好みかは、人によります
すぐに気持ちよく着たいのか、育てていきたいのか…だね
ネットで買うときに、確認したいこと
素材の違いが分かっても、最後に残る問題があります。実際に触れないことです。私が無印良品を選び続けているのも、結局はここでした。店で触って、サイズを知っているから、迷わずに済む。
ネットで買うなら、その安心を別の方法で補う必要があります。今回いろいろ調べてみて、ネットで買うならここを確認したい、と思ったポイントをまとめます。
サイズは、着丈と身幅を見る
サイズはメーカーによって基準が違います。普段Mサイズでも、別のメーカーのMサイズだと小さい…ということもあります。S・M・Lという表記だけで判断しない方がいいです。
見るべきは、着丈・身幅・ゆき丈・股下の実寸です。今持っているパジャマを平らに置いて測り、その数字と比べると失敗が減ります。


身幅が窮屈だと、寝返りや腕の動きがしにくくなります。股下の丈が合わないと、裾を踏んだり足首が出たりします。
パジャマは体に沿わせるものではないので、普段着より一つ大きめを選ぶ人が多いようです。ただ、大きすぎると寝返りのときに布がねじれるので、違和感につながるかもしれません。
※採寸方法はメーカーによって異なるため、商品ページのサイズ表も確認してください。
洗濯表示を確認する
パジャマは毎日着て、毎日洗うものです。
・洗濯機で洗えるか
・乾燥機が使えるか
・ネットが必要か
ガーゼは糸が引っかかりやすいので、洗濯ネットを推奨している商品が多いです。乾燥機については、縮みや毛羽立ちの原因になるため避けるよう書かれていることがあります。
手入れの手間が多いと、結局着なくなるので注意が必要です。
レビューは「洗ったあと」を探す
レビューは星の数より中身を見るほうが役に立ちます。特に探したいのが、何回か洗ったあとの話です。縮んだか、柔らかくなったか、毛羽立ったか、ボタンやゴムはどうか。
買った直後の感想は、どの商品でも良く書かれがちです。時間が経ってからのレビューのほうが、実際の姿に近いと思います。
色は、写真どおりとは限らない
画面の設定や撮影の光で、実物とは違って見えます。多くの商品ページにその注意書きがあります。淡い色ほど差が出やすいので、迷ったら定番色を選ぶほうが安心です。
薄いガーゼは透け感も気になります。この場合はトップスの丈が長い(お尻が隠れる)ものか、濃い色を選ぶと安心です。
条件に合う4つのパジャマ
最後に、ここまでの基準で探したパジャマを挙げます。
私はこの4つのパジャマを着たことがありません。 素材の作りや仕様を調べたうえで、条件に合うものとして紹介しています。実際の着心地は、届いてから確かめてください。
価格に4倍近い幅があります。何が違うのかというと、前半で書いたことがそのまま出ています。ガーゼの重ね数。生地の作り方。仕上げにどれだけ手をかけているか。時間をかけて不純物を抜く昔ながらの加工は、当然その分の値段になります。
高いほうが優れているとは限りません。ただ、価格の違いには理由があります。
ねむりのアトリエ 和晒し2重ガーゼ
綿100%の2重ガーゼ、日本製。長袖・長ズボン。
和晒しという昔ながらの方法で仕上げられています。大きな釜で時間をかけて生地の不純物を抜く製法で、薬剤に頼らず柔らかさを出すもの。あとで紹介する松並木の無添加パジャマと考え方は近いですが、価格帯は違います。
トップスMサイズで190gと軽め。サイズはM・Lの2つなので、体型によっては合わないかもしれません。4つの中でいちばん手が届きやすい一枚です。
パジャマ工房 オーガニックコットン天竺ニット
綿100%の天竺ニット、長袖、日本製。この4つの中でいちばんサイズ展開が細かいです。S・M・L・LL・3L〜5Lに加えて、着丈違いのMP・LPがあります。
※ S・LL・3L・4L・5Lはオーダーメイド(別注)です。ご注意ください。
編み地なので伸びます。寝返りの多い人、腕を上げる動きで窮屈さを感じる人に向きます。身長で丈が合わない経験がある人には、選択肢が多いぶん探しやすいはずです。
松並木 無添加ガーゼ
綿100%の2重ガーゼ、日本製。他の3つと違うのは仕上げ剤をいっさい使っていないことです。
糊も柔軟剤も使わずに仕上げているので、届いたときは少し硬く感じるかもしれません。洗うほど糸がほぐれて柔らかくなっていくタイプ。エコテックス認証(※)を取得しています。前半で書いた「加工の有無」の話が、いちばん分かりやすく出ている一枚です。
※エコテックス(OEKO-TEX®)認証とは、繊維製品の有害物質を検査する国際的な認証制度
UCHINO マシュマロガーゼ
綿100%の3重ガーゼ。タオルやルームウェアを作っているメーカーのパジャマです。
UCHINOの独自製法で作られたパジャマ。名前のとおり、やわらかさを前面に出した商品。3重なので通年で使いやすく、前開き、ポケット付き。サイズはS〜XL。
触り心地を優先したい人向けです。
4つのパジャマまとめ
ここまでに挙げた4つのパジャマの特徴をまとめました。
※価格・サイズ・仕様は記事作成時点のものです。購入前に商品ページで最新情報をご確認ください。
和晒し2重ガーゼ | オーガニックコットン 天竺ニット | 無添加ガーゼ | マシュマロガーゼ | |
|---|---|---|---|---|
| メーカー名 | ねむりのアトリエ | パジャマ工房 | 松並木 | UCHINO |
| 素材 | 綿100% | 綿100% | 綿100% | 綿100% |
| 特徴 | ・2重ガーゼ ・和晒し加工 | ・オーガニックコットン ・天竺ニット編み | ・2重ガーゼ ・無添加 | ・3重ガーゼ ・触り心地がいい |
| 生産 | 日本製 | 日本製 | 日本製 | ベトナム製 |
| サイズ | レディースM・L | MP・LP・M・L (オーダーメイドでS ~5L) | S・M・L・LL | S・M・L・XL |
| カラー | 6色 | 6色 | 3色 | 3色 |
| 使用時期 | 春・夏・秋 | 春・夏・秋 | 春・夏・秋 | 通年 |
| 価格 | 5,840円 | 13,640円〜 | 16,830円 | 23,100円 |
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まとめ
綿100%と書いてあっても、重ね方、織りか編みか、加工の有無で着心地は変わります。
どれが正解ということはありません。私自身は近くの店で買える無印良品のものを使っていて、それで満足しています。ですが、今回綿素材のパジャマを調べてみて、他のものを試してみたくなりました。
大事なのは、自分が触って心地いいと思えるかどうか。自分に合うかどうか。高いものがいいとは限りません。
眠れない夜が続くとき、原因はひとつではないと思います。パジャマを変えても変わらないこともあります。私自身、寝具を変えても解決しなかった時期がありました。そのときは、寝具とは別のところを見直すことで少しずつ変わっていきました。
それでも、肌に触れているものが心地いいと、少しだけ夜がやわらぎます。
あなたの眠りが、優しいものになりますように。









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