前回、ジャーナリングで心を整える方法をお伝えしました。
自分の思考や感情を書き出すことで、心を整える方法です。
今回は日記について。
書くことで、何もしていない・何もできなかったと思っている毎日が、
実は「頑張ってたんだ」と気づく事ができます。
毎日の小さな積み重ねが暮らしの基本。
小さな気づきで自己肯定感が高まります。
日記って?ジャーナリングとの違い
日記は日々の記録。
いつ・どこで・何があったか、事実や感想を簡単に書く日々の記録です。
思い出や出来事の記録ができ、振り返りがしやすくなります。
「備忘録」としての側面が強いので、特別な自己分析や思考の深掘りを求めない人にとって心理的ハードルが低く、気軽に始められます。
一方、ジャーナリングは今の自分の考えや感情を受け止め「なぜ?どう感じた?どうして?」と問いかけ深掘りして書いていきます。



似てるようだけど、目的や効果が違うんだ


「今日もなんとかやったな」でOK。
日記って、何か特別な出来事を書かなくちゃ…そんなことはありません。
例えば「今日も疲れた」「なんかイライラした」「でもお風呂気持ちよかった」
――それで十分なんです。
心理学でも、こうした“感情を言葉にする”行為がストレス軽減に効果的だと報告されています¹。
頭にたまったモヤモヤを紙や画面に吐き出すことで、感情の渋滞が少しずつほどけていきます。
そして不思議なことに、たとえ小さな一言でも
「書いた」という行為自体が、“自分を受け止めた”サインになります。
「誰にも見せないけど、ちゃんと自分の気持ちを聞いてあげた」
この小さな積み重ねが、ゆらぎ世代の心にじんわり効いてくるんです。
「できた自分」に気づく練習になる
更年期は、体の変化とともに「なんか自信がなくなってきた」という声をよく聞きます。
でも、日記をつけてみると
「昨日より少し早く起きられた」とか、「ちゃんと夕飯を作った」とか。
そんな「当たり前の中の小さな達成」に気づけるようになるんです。
心理学ではこれを「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」と呼び、
自分への信頼感を取り戻す鍵になるといわれています²。
日記は、“うまくいかなかった日”も、“頑張れた日”も等しく記録するもの。



だからこそ、自分の全体像を客観的に見つめ直す力が育つんだ
頭と心の“整理”になる
日記を書いていると、いつのまにか頭の中が整理されていく感覚、ありませんか?
これは、書くことで思考を「見える化」する効果です。
頭の中に散らばっていた情報を、紙の上に並べることで
「自分が本当に気にしていたのはこれだったんだ」と気づく。
このプロセスが脳の前頭前野を活性化し、不安や焦りを鎮める働きをします³。
言い換えれば、日記は心の整理係。
一日の出来事を振り返り客観的に整理することで、心が落ち着き副交感神経が優位になりやすいんです。



忙しく揺れやすい世代だからこそ、夜の数分が心を静めるリセットタイムになるよ
“未来の日記”も書いてみよう
もし余裕が出てきたら、「こうなったらいいな」を書くのもおすすめ。
書くことがない時に試してみてもいですね。
たとえば
「明日は気持ちよく起きられますように」
「来週は友だちとゆっくりお茶したい」
といった“未来形の願い日記”。
脳はイメージしたことを現実と区別しにくい特性があり、
このポジティブな自己暗示が、前向きな行動を後押ししてくれます⁴。
「書いておくと、少し叶いやすくなる」――これも日記の小さな魔法ですね。
どんな形でも、日記は“あなたの味方”



日記は紙でもアプリでもOK
ただ、“手で書く”ことには特別な効果があります。
筆圧や書く速度、手の動きが副交感神経を刺激し、リラックス反応を促すんです⁵。
自律神経のバランスが整い、メンタル面にも良い影響があるそうです。
「書く=深呼吸するような時間」と思ってみてください。
忙しい日も、たった一行でいい。
「今日は忙しかったー💦」で十分です。
「今日もなんとかやったな」
その一行が、あなたの心を支える小さなメンタル貯金になります。
連用日記のすすめ
連用日記とは、毎年同じ日の記録を同じページに書き込める日記です。
3年手帳・5年手帳など見かけたことがあるのではないでしょうか?
私は2冊目の5年手帳を使っています。
過去の同じ日に同じものを食べていたり、去年の今日は悩んでいたんだ、など。過去の自分と出会える手帳です。
クスッと笑えたり、頑張っていた過去の自分にジーンと来たり。
そういえば、あの季節だな🎵なんて気づいたり。
何も書いていないのも、立派な記録。
一日1ページの日記帳より書く量が少ないので気軽に始める事ができます。
2週間続くと、習慣化されるそうです。
まず3日、次は5日、1週間、2週間。
少しずつ始めてみませんか?
💐まとめ
感情を言語化することでストレスが軽減されます。
日記は「いつ・どこで・何があったか」事実や感想を簡単に書く日々の記録。
日記を書く事で“感情が言語化”され、ストレス軽減につながります。
「書いた」という行為自体が、“自分を受け止めた”サインになります。
更年期のゆらぎの中で、
感情を言葉にして、少し離れた場所から自分を見る。
それだけで、心の中に静かな風が通り抜けるようになります。
今夜、寝る前にペンを手に取ってみませんか?
「今日もよく頑張った」――
その一文から、心のリズムが整いはじめます。
脚注:
¹ Pennebaker, J.W. (1997). Writing about emotional experiences as a therapeutic process.
² Bandura, A. (1994). Self-efficacy.
³ Lieberman, M.D. et al. (2007). Putting feelings into words: affect labeling disrupts amygdala activity.
⁴ King, L.A. (2001). The health benefits of writing about life goals.
⁵ Kanda, T. (2019). The physiological eff

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