「最近、体重が増えたかも…」そう思って体重計に乗って、思わず二度見したことはありませんか?私は何度もあります。
食べる量はそれほど変わっていないのに、なぜかじわじわ増えていく体重、緩くなっていく体型。気をつけなきゃと食事を減らしてみても、思うように変わらない。それどころか体調を崩してしまう。
「これって年齢のせい?」
「仕方ないのかな…?」
そんなふうに感じてしまうかもしれません。私も同じように戸惑いながら過ごしてきました。頑張ろうとするほど空回りして、疲れてしまったこともあります。
更年期の体重増加には体の変化が関係している可能性があります。食事を「減らす」より、今の私たちに合うように「整える」ことを意識する。そうすることで、私は体重が落ち着き、気持ちがラクになりました。
今日は、更年期の体重増加とどう向き合っていくか。無理をしない整え方についてお話しします。
・更年期に体重が増える理由
・積極的に取り入れたい栄養素
・体重管理で気をつけたい食習慣
※個人差がありますので、気になる症状がある方は医療機関や管理栄養士への相談をおすすめします。
更年期に体重が増える理由

以前は、少し食事に気をつけたり動いたりすれば、体重は素直に応えてくれていました。
でも、いつ頃からでしょうか。同じように過ごしているはずなのに、なぜか少しずつ増えていく体重。「ちょっと食べすぎたかな?」と控えてみても変わらない。それどころか増えている…。
そんなことが続くと「やり方が悪いのかな」「もっと頑張らないといけないのかな」と、自分を責めてしまいそうになります。なぜ、更年期に入ると、体重が増えやすくなるのでしょうか。
女性ホルモンの変化
大きな理由のひとつが、女性ホルモンの変化です。
更年期になると、エストロゲンという女性ホルモンが大きく減少します。
このエストロゲンには、脂肪のつき方や代謝に関わる働きがあるため、エストロゲンが減少することで体が脂肪をため込みやすい状態になってしまいます。特に、皮下脂肪より内臓脂肪がつきやすくなる傾向があると言われていて、これが体型の変化を感じやすい一因かもしれません。
- 内臓脂肪の蓄積: 脂肪の代謝を促す働きが弱まり、皮下脂肪から内臓脂肪へと蓄積場所が変わり、お腹周りが太りやすくなります。
- 基礎代謝の低下: 筋肉を維持する力が弱くなることで筋肉量が低下し、基礎代謝(消費エネルギー)が落ちます。
- 食欲の増大: 食欲を抑えるホルモン(レプチン)の働きに影響を与える可能性があるとも言われています。その場合、満腹感を感じにくく、食欲が増しやすい状態になります。
- 脂質代謝の悪化: 動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールが増えやすくなります。
筋肉量の低下
年齢とともに筋肉量も少しずつ減っていきます。筋肉が減ると基礎代謝も下がるため、以前と同じ生活をしていても、消費されるエネルギーが少なくなってしまいます。
ここに、食事の影響も関係してきます。忙しさや疲れから、食事のバランスが崩れやすくなるのもこの時期。たとえば、簡単に済ませようとパンや麺類だけで終わってしまったり、甘いものでエネルギーを補おうとしたり。
こうした食事が続くと、たんぱく質が不足して筋肉が減りやすくなったり、血糖値の乱高下で脂肪をため込みやすくなったりします。
睡眠の質の低下
更年期は睡眠の質が落ちたり、疲れやすくなったりする時期でもあります。しっかり眠れないことで食欲をコントロールする働きが乱れ、無意識に食べ過ぎてしまうことがあります。
眠りの質を整えることが、体重管理のサポートにもなるかもしれません。
・寝室の環境づくりが気になる方はこちら


・冷えと睡眠の関係が気になる方はこちら

体重増加を防ぐために取り入れたい栄養素

では、どうすればいいのでしょうか。
更年期世代が特に意識したい栄養素があります。「完璧に摂らなければ」と構える必要はありません。でも、知っておくと食事の選択肢が広がるかもしれません。
大豆イソフラボン
大豆に含まれるイソフラボンは、エストロゲンに似た働きをすることがあるとして注目されている成分のひとつです。豆腐・納豆・豆乳・味噌など、和食には自然に取り入れやすい食材が多いのが嬉しいところ。
ただし、過剰摂取は逆効果になる場合もあるため、サプリメントなどを活用する際は摂取量に気をつけることをおすすめします。
食品からの摂取であれば、通常の食事範囲内であれば過度に心配しなくてよいとされています
たんぱく質
筋肉量が減りやすい更年期は、たんぱく質が不足しやすい時期でもあります。筋肉量の維持は基礎代謝を保つことにもつながります。たんぱく質を毎食意識して取り入れることは、体重管理の面からもサポートになるかもしれません。
お肉や魚、卵、豆腐などを「毎食どこかに少し入れる」くらいの感覚でOK。たとえば、朝にゆで卵をひとつ追加するだけでも十分です。
しっかり摂らなきゃ!と思うと負担になるので、少し追加するところから始めましょう
まずは「少しを続ける」ことが大事だよ
カルシウムとビタミンD
骨密度の低下が気になるこの時期、カルシウムを意識することはひとつの選択肢です。乳製品・小魚・小松菜・ブロッコリーなどに多く含まれています。
さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを一緒に意識してみると効果的かもしれません。ビタミンDは、鮭・さんま・きのこ類に含まれているほか、日光を浴びることで体内でも生成されます。
※カルシウムは鉄分の吸収を妨げます。鉄分を意識されている方は、摂取のタイミングに注意が必要です。


体重管理で気をつけたい食習慣


更年期の体重管理で大切なのは、「減らすこと」よりも「整えること」。特に食事は、我慢するより選び方を少し変えるだけで、体のラクさが変わってきます。ここでは、私が実際に意識している、無理なく続けられる食事の整え方をご紹介します。
塩分・糖分の摂りすぎ
更年期以降は血圧が上がりやすくなる方もいます。塩分の過剰摂取は気をつけたいポイントのひとつです。加工食品・インスタント食品・外食が続くときは、意識してみるだけでも違うかもしれません。
また、糖分の摂りすぎは体脂肪の蓄積につながりやすいとされています。甘いものをやめる必要はないですが、量やタイミングを見直してみるのがオススメです。
私は食後に甘いものが欲しくなります。そんな時は無理をせず、チョコレートをひとかけ(できればカカオ含有量の多いもの)食べるようにしています。ここで「甘いものはダメだ!」と我慢すると、数時間後に多めの間食をしてしまう傾向がありました。
食後の少量の甘いおやつが、その後のおやつドカ食いを防いでくれています
アルコールとのつき合い方
お酒が好きな方にとっては少し気になる話題かも。
アルコールは血管を拡張して一時的に更年期症状(ほてり・のぼせなど)を強めることがあると言われています。また、睡眠の質も低下させると言われています。体重増加との関わりでいえば以下のような影響があります。
- 脂肪がつきやすくなる: エストロゲンの減少で代謝が落ちる中、アルコール分解が優先され、中性脂肪が蓄積しやすくなります。
- 糖質と冷え: 日本酒やビールなどの醸造酒は糖質が多く、冷たい状態で飲むことが多いため、体を冷やしやすいとされています。体を冷やすことで代謝が下がりやすくなる可能性があります。
「更年期症状や睡眠の質が気になる」と感じるときは、アルコール量を少し減らすのも選択肢のひとつです。お酒を飲む際は、ハイボールや焼酎などの蒸留酒(糖質ゼロ系)を選び、つまみを工夫して飲みすぎない…などの工夫をしましょう。
主食だけで終わらせない
忙しい時、パンやおにぎりだけで済ませてしまうことありませんか?そんなときは、チーズやヨーグルト・納豆などをひとつ足すだけでもバランスが変わります。
減らすよりも、少し足すほうが、ずっと続けやすいと感じています
- 太りやすくなる(基礎代謝の低下):
タンパク質不足で筋肉が減り、基礎代謝が落ちてしまいます。そのため、食事量を減らしても痩せにくく、太りやすい体質になってしまいます。 - 更年期症状の悪化(自律神経の乱れ):
糖質のみの食事は血糖値を急上昇させ、その後急降下させます(血糖値スパイク)。自律神経が乱れ、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)やイライラがひどくなりやすいとされています。 - 隠れ栄養失調と骨密度の低下:
タンパク質やビタミン・ミネラルが不足し、40~50代に特に必要なカルシウムやビタミンDが不足して、骨がもろくなるリスクが高まります。 - 貧血・疲労感の増大:
更年期は閉経に伴い鉄分不足になりがちです。鉄分を多く含む肉・魚などの主菜を抜くと、貧血や疲れやすさが深刻化します。
血糖値をゆるやかに保つ
甘いものや炭水化物を一気に摂ると、血糖値が急に上がって、その後にぐっと下がります。この現象を血糖値スパイクといいます。この上下が大きいと、脂肪をため込みやすくなったり、またすぐにお腹が空いてしまったりします。
血糖値スパイクは自律神経が乱れ、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)やイライラにも繋がりやすいので注意が必要です。
とはいえ、甘いものを完全にやめる必要はありません。食後に少し楽しむ、量を控えめにする、そんなゆるい工夫で大丈夫
ちゃんと食べる
体重が気になると食事を減らしたくなります。ですが、食事を極端に減らすと、かえって代謝が落ちてしまうことがあります。食事のリズムが乱れると血糖値の急激な変動を招きやすく、それが脂肪蓄積や疲れやすさにつながることも。
完璧でなくていいので、3食ちゃんと食べることを意識してみてください。
無理なく続けるための工夫


食事を変えようとするとき、つい「あれもこれも」と変えようとして長続きしないことってありませんか?この時期の食事との向き合い方は、「無理なく、楽しく、続けられること」がいちばんのポイントかもしれません。
まず一品、足してみる
「今日の朝食に豆腐を一品加えてみる」「夕食に小魚を添えてみる」そんな小さな一歩で十分です。全部を一度に変えようとすると続かないことも多いですよね。一品だけ一週間だけ試してみる、というくらいの気持ちで始めてみるのが長続きの秘訣かもしれません。
発酵食品を日常に
納豆・味噌・ヨーグルト・ぬか漬けなどの発酵食品は、腸内環境を整えることにも役立つと言われています。腸の状態は免疫や気分とも関係があることがわかってきており、更年期の体調管理にも間接的にサポートになるかもしれません。
朝食に納豆や豆乳ヨーグルト、昼食に味噌汁一杯。そんな小さな積み重ねが、体の整えにつながっていくことがあります。
食事を「楽しむ」ことも大切なケア
「何を食べてはいけないか」ばかりを気にしていると、食事がストレスになってしまうことがあります。
好きなものをおいしく食べる時間も、心と体にとって大切なケアのひとつ。食事の内容を少し整えながら、食べる喜びは手放さないでいてほしいと思います。
まとめ


食事を減らしても、運動をしても、体重が変わらない。むしろ、増える。
そんな時、体の変化を理解し、それをサポートするような食事を心がけることで、少しずつ体が変わってくるかもしれません。
更年期の体重変化や体の変化は、ホルモンバランスの影響によるものが大きく、「意志が弱いから」でも「食べすぎているから」でもないことがほとんど。食事はそんな体を内側からサポートできる、大切な生活習慣のひとつです。
完璧を目指さなくて大丈夫。今日からちょっとだけ、できることから取り入れていくことが、長く続けられる整え方になるかもしれません。
食事だけでは改善しない症状や気になることがあるときは、婦人科や管理栄養士などの専門家に相談することも選択のひとつです。一人で抱え込まず、頼れるところには頼ってみてくださいね。
※症状には個人差があります。気になる方は医療機関や専門家へご相談ください。







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